役所広司さん×西川美和監督 初タッグ「すばらしき世界」トロント国際映画祭で初披露! 特報映像も完成! AOI Pro.出資・制作作品

2020.09.14 事業

©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

役所広司さん主演、西川美和監督の最新作「すばらしき世界」(2021年2月11日公開、AOI Pro.出資・制作)が、北米最大の国際映画祭「第45回トロント国際映画祭」の正式出品作品に選出され、現地時間の9月10日にワールドプレミア上映が行われました。

本映画祭は米アカデミー賞を頂点とする今後の賞レースを占う前哨戦としても注目されています。

「第45回トロント国際映画祭」にリモート参加する西川美和監督(写真左下)、主演の役所広司さん(写真右下)

主演の役所広司さん、西川美和監督は日本からリモート参加しました。

プログラミングディレクターのジョバンナ・フルピ氏は、「脚本が非常によく練られストーリーが感動的。見事に質感がありリアルに感じられる。役所は、役の解釈がとても素晴らしくニュアンスと個性が豊かでカリスマ性を感じる」と絶賛。

海外の各メディアからは、「師である是枝裕和を継ぎ『すばらしき世界』で西川美和が脚光を浴びる時が来た」(アメリカ / Variety)、「胸に刺さるストーリー!」(カナダ / Tribute.ca)、「役所広司の演技が最高である。その演技は『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニを彷彿とさせる」(ニュージーランド / letterboxd)等、多数の称賛の声と今後の賞レースへの期待が寄せられています。

また、あわせて特報映像が公開されました。
特報の冒頭は、TVマン津乃田(仲野太賀)とTVプロデューサー吉澤(長澤まさみ)の、「相手にしない方がいいんじゃないですか?放送に耐えられる対象じゃないっすよ」「そこが面白いんじゃん」という会話でスタート。津乃田が持つカメラが向けられるその先にいるのは、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男・三上(役所広司)。しかし、実はこの男、人生の大半を刑務所で過ごした元殺人犯だった――。
社会のレールから外れた男と、それをネタに食い物にしようとするTVマン。「この世界は地獄か、あるいは――」怒りを目に浮かべたこの男の結末は?

原案は、直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」。これまでオリジナル脚本にこだわり続けた西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑みました。
日本公開は2021年2月11日。海外からも注目を集める本作にご期待ください。

「第45回トロント国際映画祭」記者会見
Q. 今までの西川監督の長編作品はオリジナルストーリーで、文学賞も受賞してこられました。「すばらしき世界」は別の方が書いた小説を原案とした初めての作品となります。社会になじもうとする元ヤクザを描いたこのストーリーのどんなところに惹きつけられましたか?また、佐木さんの原作「身分帳」にはどのくらい忠実に翻案されましたでしょうか。
――(西川監督) 前作「永い言い訳」の撮影中に佐木隆三さんが亡くなられたと新聞を見て知りました。その記事の中で、佐木さんをよく知る作家の方が、佐木さんの真骨頂は非常に有名な「復讐するは我にあり」よりも「身分帳」ではないか、と書かれていたんです。それがきっかけでこの原作を手に取りました。そこで描かれていたのは、犯罪者が刑務所を出た後になんでもない日常を取り戻すために、こつこつと生きる地味な話だった(笑)。これは、自分で探しても見つけられるテーマではないと思い、映画化してみたいと強く思いました。たくさんのエピソードが詰め込まれている小説を2時間の映画にどう集約するかということが、オリジナルで映画を作ってきた私にとっては、とても手こずった部分でしたが、2、3年かけて取捨選択して書き上げました。

Q. 役所広司さんの演技は息をのむほどで、この役にぴったりでしたが、三上役にはどのようにキャスティングされたのでしょうか。脚本の段階ですでに役所さんが頭にありましたか?
――(西川監督) 17歳の時に、役所さんが連続殺人鬼の役をやられたテレビドラマを観ていたくショックを受け、それがきっかけでものを書く仕事につきたいと思うようになりました。映画監督をやることになり、いつか役所さんを主役に映画を撮れないかと考えてきました。本作の三上という男は非常に面白い役なので、憧れの役所さんに一念発起してオファーをしたところ、「前向きに考えます」とお返事をいただき、それが自信となって脚本を書き進めることができました。

Q. 役所さん、三上の役の解釈がとても素晴らしかったです。ニュアンスと個性が豊かで、感動的かつカリスマ的でした。この役にはどのような準備をされましたか?
――(役所) 原案である小説「身分帳」と西川監督が書いた脚本を比べて読みながら、小説はもちろんト書きが多いのでその部分は脚本と照らし合わせて、三上という男を探し求めていました。しかしこの男がなかなか掴めなかった。撮影が始まってから、ワンシーン撮ったものがまた次のシーンのヒントになり、少しずつ三上という男に近づいていく感じがありました。あとは、ミシンの練習を一生懸命やりました(笑)。また監督と一緒に旭川刑務所を見学できたことは非常によい経験になりました。

作品概要

映画「すばらしき世界」 / 英題 "Under The Open Sky"

下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺犯だった――。一度社会のレールを外れるも何とか再生したい悪戦苦闘する三上に、若手テレビマン(仲野太賀)がすり寄り、ネタにしようと目論むが…。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。

公開日2021年2月11日(木・祝)
出演役所広司
仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子
長澤まさみ、安田成美 / 梶芽衣子、橋爪功
脚本・監督西川美和
原案「身分帳」佐木隆三著(講談社文庫刊)
音楽林正樹
配給ワーナー・ブラザース映画
製作©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
制作プロダクションAOI Pro.
当社スタッフ
プロデューサー伊藤太一
プロデューサー池野加奈
アシスタントプロデューサー大溝恵

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